首の痛み、首のこりって辛いですよね。
整体やマッサージなどで一時的に楽になったとしても、また同じ症状がぶりかえしたりしませんか?
今回は、なぜ首の痛みが繰り返し起こるのか、その原因と対策をご紹介します。
特に、慢性化している首の痛み、首の凝りを根本から改善する方法を、筋膜リリース(ロルフィング)の施術の観点からご紹介していきます。
首の痛み 主な原因
首の痛みは、そもそもなぜ起こるのでしょうか。
老化を除けば、多くは、間違った姿勢が原因です。
首は、本来、背中の方からのサポートが必要です。
(首の筋肉は、筋膜というつながりで見れば背中のほうにまで伸びて繋がっています)
肩が前に入り込んだり、胸を引っ込めて背中が丸くなっていたら、首が休まる場所がありません。
そうなると、ボーリングのボールほどの重さ(5kg程度)の頭を、「首だけ」でバランスをとりつつ支えなければなりません。
「首」に、相当な負担がかかり、その結果、いろいろなトラブルが生じます。
首の痛む原因は、症状によって様々ですが、一般的に、頚椎症(頚椎の変形によるものなど)、緊張性頭痛をも引き起こす肩こり症、腕や手のしびれも生じる胸郭出口症候群などがあります。
頚椎症
加齢に伴い骨や椎間板に老化が生じて、神経の通り道が圧迫され痛みやしびれが生じます。
✔️頚椎椎間板ヘルニア・・・比較的に若い世代(40代、50代)に多いとされる。椎間板が飛び出すことで生じる。
✔️変形性頚椎症・・・加齢によって首(頚椎)の骨が変形して起こる。
✔️頸部脊柱管狭窄症・・・神経の通り道である脊柱管が、骨(椎体)、椎間板、靭帯などが変形することにより狭くなり、中を通っている神経を圧迫する。
首の骨(頚椎)の老化は、40歳ごろから現れ、年齢が進につれ症状が悪化しやすくなります。
最初は、首や肩にかけての凝り、張った感じの痛み、首をある角度に傾けたときに、首から肩にかけてビリリとしびれるような痛みが生じたりします。
悪化させると、腕やしびれがいつも続くようになります。さらに、手先を使った細かい作業が難しくなる場合もあります。
脊髄にも圧迫が生じた場合には歩行が困難になるケースもあり、早期の対応が必要です。
肩こり症
首から肩にかけての緊張、凝ったような痛みが生じている状態です。長時間同じ姿勢を取ることによって生じやすくなります。
これも姿勢が悪いと一層なりやすいです。
慢性化させていると、緊張性頭痛の原因にもなります。
胸郭出口症候群
鎖骨の周辺で、腕神経叢と言って腕のほうにいく神経や、動脈が圧迫され、首の痛み、腕や手のしびれや脱力感などが起きる病気です。
疲れやストレスのほか、これも普段からの姿勢や、肩や腕の使い方が問題になっていることも良くあります。
症状によっていろいろな病名はついていますが、そもそもの原因は、加齢によるもののほか、首に大きく負担をかける”姿勢”によるところが大きいです。
日頃から、こんな姿勢、体の使い方をしていませんか?
首に負担がかかりやすい姿勢とは
いつもどおり歩いたときに、頭と首がどうなっているかチェックしてみてください。頭と首が前方に向かって伸びていませんか?
(天井方向から、頭、首が吊り下げられているような感覚はありますか? ←こちらの方が理想的です)
顎を引いて首がまっすぐになっていたら、いわゆるストレートネックの状態で首に負担がかかっています。
逆に首を前に突き出して首の後ろをつぶしている人もいますが、これも首の負担が大きいです。
先にお話したとおり、首には下の構造からのサポートが必要です。そのサポートがあってこそ、首をささえる土台を築き、重たい頭を無理なく支えることができます。
上記の状態は、下からのサポートがない状態です。そのため、首にかなり負担がかかっています。
こうした状態を長年続けていると、様々なトラブルが生じるかもしれません。これを”老化”といえば、老化なのかもしれませんが、、
首の痛み 対策
では実際、首の痛み、首の凝りなどの症状を改善するにはどうしたらよいでしょう。
一般敵に言われれいるのは、長時間同じ姿勢を取ることを避けること。そして、重たいバックなど首や肩に負担がかかることも減らしていきます。
また、症状が悪化したときは安静にする必要がありますが、症状がそこまで悪くなければ、マッサージや温熱療法や低周波電気治療などで症状を緩和させていくのが良いのだと思います。
とはいえ、一時的に症状が落ち着いたとしても、根本の原因は、日頃からの姿勢や、体の使い方が関わっていることが多いです。
首の痛みなどの症状を繰り返さないためには、全身のバランス(姿勢)と身体の使い方を見直す必要があります。
首の痛みを慢性化させない姿勢と身体の使い方とは
では、普段からどんな点に注意したら良いでしょう。今回は次の3つの点をご紹介します。
首の痛みを軽減させる姿勢⑴:目線の高さ
まず、ふだん歩いているとき、目線はどこに置いているでしょうか? 地平線と同じ高さに置かれていますか?
ほとんどの方が、かなり下を向いて歩いています。
目線の高さを上げるだけで、後頭下筋群と呼ばれる、頭蓋底と首の骨(頚椎)の上から2つ目までをつなぐ小さな筋肉群の緊張が緩みます。
この後頭下筋群は、僧帽筋などの大きな筋肉の下にある筋肉群です。いろいろな動きのセンサーを持っている重要な働きをしています。
特に、平衡感覚をとる内耳との関わりも強いです。内耳によって頭をまっすぐに保ち、後頭下筋群のおかげで頭は身体とのアライメントを保つことができます。
重たい頭を、微妙なバランスをとりつつ(首だけでなく)身体で支えるためにも、ここを緩ませておくと良いです。
特に、(緊張性)頭痛が頻繁に起きやすい人は注意してくださいね!
また、椅子に座っているときの目線の高さも大事です。椅子に座って長時間ノートパソコンを見ているとき、目線がかなり下がっていることも多いのではないでしょうか。
後頭下筋群の緊張が強くなっています。理想的な目線の高さになるよう、ノートバソコンの下に台を置くなり調整すると良いです。
首の痛みを軽減させる姿勢⑵:座っているときの足の裏
パソコンやスマホを見ていると、どうしても首(首の周りの筋肉)の負担が大きくなります。
「パソコンに向かっているから仕方がない」と諦める前に、椅子に座っているときの足裏に注目してみてください。
足裏は、しっかり地面についていますか?かかとを浮かせたり、足首をひねったりしていませんか?
なぜ首の問題なのに、足裏が大事なの?と思うかもしれません。
ですが、椅子に座るときに足裏が床にしっかりついていると、身体は安定しやすくなります。
足裏が床についているだけで、首が前に行きにくくなり、首の負担が軽減されます。
椅子の座り方については、改めてご紹介しますが、体重の6割程度が骨盤に、残りの4割程度は脚と足にかかるのが理想だと言われています。
このバランスを保つためにも足裏が床についていることが大事なのです。
首の痛みを軽減させる姿勢⑶:脇の安定
3つ目は、私たちロルフィング(筋膜リリース等の手法を用いた身体教育)の世界では常識なのですが、脇を安定させることです。
具体的には、脇に走行する前鋸筋という筋肉を働かせる(使う)ことです。
働かせると言っても、腹筋をするときのように筋肉を強く緊張(短縮)させるのとは違います。
どの程度かと言えば、長方形のフェイスタオルをくるくる丸め、その丸めたタオルを脇に挟み込む程度の力具合です。
イメージしにくい人は、実際に丸めたフェイスタオルを脇に挟み込み、パソコンを目の前に椅子に座ってみてください。
軽く“脇を閉める”程度だということがお分かりいただけるでしょう。
こうすることで、肩が上がりにくくなります。すぐに肩が上がってしまうのは、脇にある前鋸筋の働きが弱いからなのです。
特に、胸郭出口症候群と診断されたような人は、鎖骨周辺の神経や動脈が圧迫されるような姿勢を取りたくありません。
脇を閉めるような感覚で、パソコンに向かっているとそれが避けられるので、オススメです。
まとめ
・首の痛み、首の凝りが繰り返し起こるのは、首に負担がかかる悪い姿勢によるところも大きい。
・首は背中のほうからのサポートが必要。
(首だけで重たい頭を支えようとすると、首の負担が大きい)
・目線を地平線の高さに置くことで、首の負担を軽減できる。
・椅子に座るは、足裏を床につくことで、首が前にいくのを防ぎ、首の負担が減る。
・脇にある前鋸筋を働かせることで、肩が上がるのを防止し、首の負担の軽減に繋がる。
いかがでしたか。
当サロンの筋膜リリース(ロルフィング)のセッションでは、自分の体に向き合うことをもっとも大事にしています。
首の問題が生じたときに、温熱療法やマッサージ、牽引療法などで一時的に症状を改善していくのも良いですが、首の痛みなどを頻繁に繰り返すのであれば、普段の姿勢や、身体の使い方のくせを見直してはいかがでしょうか。
コメント